彩果農園について

はじめに

はじめまして。

彩果農園代表:油小路隆敏です。

私たち「彩果農園」は、2016年に夫婦二人で、新規就農者として農家になった元サラリーマンです。

妻の地元である福岡県筑後市で農業をしていますが、私たちは二人とも実家が農家だったわけでも農業高校出身でもありません。

そんな私たちがどんな経緯で農家として働いているのか、彩果農園はどんなところなのか、どんなことを大切にしているかをご紹介していきたいと思います。


会社員時代

私たちは二人とももともと東京でサラリーマンとして働いていました。

仕事自体に不満はなく、むしろやりがいを持って楽しく仕事をしていました。

しかし、出張や転勤があったこと、日々の仕事も出勤や残業があったことで、家族との時間がなかなか取りにくい状況でした。

夫婦二人で話し合い、自分たちの生活スタイルを見つめ直すことに。

そうして「自分の時間を自由に組み立てやすい仕事」という目線で自分の職を考えた時に見つけたのが、農業というジャンルでした。


周りからの心配はありましたが、農家になることを決め、将来的な妻の両親の介護を考えて地元福岡を選んで引っ越してきた私たち。

もちろん最初は一筋縄ではいかず、いちご農家になるまでの道のりから、実際にいちごを育て始めて収入を安定させるまで本当に辛い時期がありました。

そもそも農家ってまずなにから始めたら良いの?という本当に初歩的なところから、農業を始めるまでに様々な問題がありました。実際に始まってからも、畑が大雨で浸水してしまったり、いちごが病気になってしまったり、逆にたくさん実りすぎてしまったり…。

慣れないトラブル続きでしたが、トライアンドエラーを繰り返しながら、少しずつ結果も出てきて、いちごの収穫量や収入も安定するようになっていきました。

そうやって結果が出ることがとても嬉しいですし、何より自分で時間を作り出して家族との時間が増えたことが農家になって良かったことです。


自分で時間を作り出すとはいえ、自然相手の仕事ですから当然そこに合わせて仕事をしていくことになります。

収穫期はいちごが次から次に出来上がるので、朝方や夜中の時間を使うこともあります。

気温の変化や天気は、毎年完全に同じではないので、常にアンテナを張っておくことも大切です。

いちごの鮮やかでかわいい見た目に反して、育てている現場の作業は汗水流すような大変な作業も本当に多い。

親が同じ農家なら、農業学校に行っていたなら、避けられた手間やトラブルもあったのかもしれませんが、それがないのが新規就農の大変なところです。

そんななかで私たちが大事だと思うのは「仕事の楽しみをどこにもってくるか」ということ。

では具体的に私たちの楽しみは何かというと、

「いつかいちごの加工商品を作って販売してみたい!」

「そんな商品を販売できるお店をオープンさせたい!」

「お客さんが集まる観光農園にしたい!」

「娯楽施設として温泉をつくりたい!」

などなどの、いつか叶えたい夢の数々。

知らない人がいきなり聞くと、突飛な夢物語に見えることもあるかと思います。

でもいつか叶えたい夢を、本当に叶えようと現実的に考えてみたとき、ゴールを見据えていまなにをすべきなのかを明確にする必要がありますよね。その明確になったものをひとつひとつ小さく叶えていくと、いま確実に前に進んでいるという安心感と叶えることへの期待感が、仕事の楽しみになっていくんです。

スケッチブックの写真をいただけたら掲載

私たち夫婦は、結婚当初から二人でなにかを話し合うときにスケッチブックに書き出すのがお決まりでした(笑)

子どもの名前を決めるとき、農業を始めようとしたとき、やりたいことを叶えようとしたとき…。

そうして何度も何度も、ああでもないこうでもないと話し合ってきた日々が、理想を鮮明にして、目の前のゴールを確実に叶えることに繋がっています。

もともと前職でも3、4人のチームで目標を作って、その達成を目指して動いてきました。

それと同じことを、夫婦として、仕事仲間として、日々繰り返して今があります。


そして少しずつ形ができ始め、一緒に頑張ってくれる仲間も増えました。

「もともと営業マンだったんですが、油小路さんのもとで一緒に農業をしてみたいと思ったんです」という嬉しい声をかけてくれたスタッフは、いまや欠かすことのできない大事な戦力に。

他にもパートさんとして働きに来てくれる方がいて、彩果農園としてより発展できるようになってきています。

2022年には、羽犬塚駅前で、いちごのデザートなどを販売できる店舗をオープンすることが決まっています。

いつか観光農園をしたり、ほかの新規就農を考えている方が見学に来たりできるよう、新たに畑の敷地も拡大しました。

もともと夫婦二人だけで作り出した世界が、また違う誰かを交えながら、組織として幅をもって広げていけることもいま私たち楽しみの一つです。


農業の知識も、作物を育てる土地も、まったくのゼロから始めた私たち。

これからも一歩一歩前進しながら、彩果農園の形を作っていこうと思っています。

そして、そんな私たちのスタイルが農業に興味を持ってくださった方の参考になると嬉しいです。